産経新聞より

仏で輝く日本人リベロ バレー全日本元代表の佐野
監督「安定感増す」

バレーボールの元全日本女子リベロ(守備専門の選手)佐野優子が、今季から移籍したフランス1部リーグの強豪カンヌで活躍している。3連覇を目指す欧州チャンピオンズリーグ(CL)のプレーオフ進出に貢献し、10日(現地時間)、ホームで第1戦に挑む。
昨季は退団したチームから移籍同意が得られず、アテネ五輪を目指してたった1人で練習した佐野。「海外でプレーする」という念願の夢を実現させ、いま人生最高の輝きを放っている。

カンヌは、中国人の楊芳(ヤン・ファン)監督の就任10年間で、国内リーグ優勝8回(6連覇中)、欧州一を争うCLは2連覇。楊監督は「魔法使い」と呼ばれている。

女性社長がクラブを率いているだけあって、「チームは大きな家族のようで、結束が強いのに驚いた」と佐野は言う。

今季、チームは大きく再編された。昨季CL優勝メンバー11人中5人が抜け、佐野ら7人が加わった。
中でも、楊監督は「佐野の加入で、レシーブの安定感が増す」と大きな期待を寄せていた。

「自分のプレースタイルを早く分かってもらおうと必死でした。監督の要求水準がいつも高いので、常に勉強になる」

国内リーグは15戦全勝で失セットはわずか1。CLではA組6チーム中2位(7勝3敗)に入り、A、B組3位以上の6チームで戦うプレーオフに進出。
佐野は全10試合にフル出場し、リーグ5位の54・24%のサーブレシーブ成功率で貢献した。

「とにかく、どのチームも強いから毎試合接戦。スパイクはブロックの上から打ってくるし、威力もすごい」と驚きを隠さない。

B組2位のバクー(アゼルバイジャン)と10日にホーム、16日にアウエーで対戦。勝てば準決勝に進出できる。

カンヌは映画祭で有名な南部のリゾート地。佐野は海辺の家に住み、自炊している。「住み心地は最高。一番大変なのは毎日の食事。
体重が増えないように気を付けている」。生活面でも高いプロ意識を持つようになった。

全日本についてはまだ考えていないというが「来季もこのチームでできるなら、喜んでプレーします!」。
メールからも、弾んだ声が聞こえてきそうだった。

がんバレー